どんな職業か
植物工場の設計、施工を行う。 植物工場では野菜や苗を中心とした作物を施設内で、光、温度、湿度、二酸化炭素濃度、培養液などの環境条件を人工的に制御し、季節や天候、地域、場所等にとらわれずに自動的に連続生産する。植物工場には人工光型、太陽光型、太陽光・人工光併用型があり、生産システムの採算性、効率性が重視される。 そのため植物工場の設計では、栽培する植物に応じて工場の建設予定地内で最適な場所を検討する。また、設置が必要な設備の種類や配置、工場内で効率的な生産ができる動線などに配慮した設計を行う。具体的な設備としては、環境を制御するためのコントローラー、照明ランプ、空調機器やセンサーなどがあり、それらの機器を組み合わせて効率的・安定的な野菜の生産・出荷ができるように設計する。施工では、工場建設に際して必要な資材や協力会社等の手配、施工管理等を行う。 植物工場には主に太陽光を利用する太陽光型植物工場と、環境条件を人工的にコントロールしやすい人工光型植物工場がある。 人工光型は初期設備として工場建設に加え、照明、電気、空調設備のほか給排水設備や水耕設備、機械装置などがある。施設は、育苗室、栽培室、出荷・作業室、管理・選果室、倉庫と連絡通路で構成され、特に育苗・栽培室の天井や側壁には外部の光と熱を遮断するため断熱性の高い素材が必要である。また、育苗中の植物が病害虫の被害を受けることがないよう、出入口を二重にしてエアシャワーを取り付けるなど環境に配慮した設計・施工を行うことも人工光型の設計・施工担当者の仕事である。 一方、太陽光型の植物工場の場合、年間を通じて安定的生産を確保するためには太陽光の効率的な利用が難しい曇天を考慮した補光対策が必要となる。そのため、ガラスやプラスチックを使用してハウスの施工をすることになる。一方、温度上昇の原因となる赤外線を吸収・反射するため、特殊フィルムなど被覆材をガラスやプラスチックに貼り付け、温室内の温度等の環境を安定的な状態にして置くなどの対策が求められる。普通のガラスを使用する場合には、夏場の対策として遮光カーテンを用いるなど工夫が不可欠である。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 設計用ソフト(CADのソフトウェア等)、パソコン、工具(かなづち、のこぎり等の手動工具、ドリル等の電動工具)、作業中の保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、大学や専門学校等で土木、建築、電気、機械などを学んでいることが一般的である。また、工場設計に際しては、CADを用いるため、その知識・経験があると有利となる。 更に、植物栽培用の光源として、照射光の波長制御と光量調節を可能とするLEDへの研究が進んでいる。また、人工光型の植物工場では生産コストに占める電気代を下げ、小型で軽量、低消費電力で熱放射を抑えられるLED利用への期待が高まっている。このため電気関連の設計・施工に知識と関心がある人材が求められるようになっている。
給料
賃金構造基本統計調査では「製図その他生産関連・生産類似作業従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には1の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 318.6千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 697.2千円 |
| 平均年齢 | 41.8歳 |
| 平均勤続年数 | 11.8年 |
| 労働者数 | 10,594人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤276.1千円
- ≤299.1千円
- ≤314.8千円
- ≤332.5千円
- ≤410.8千円
製図その他生産関連・生産類似作業従事者の都道府県別の給料を見る
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「専門的・技術的職業従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率1.4%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人179千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比20.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比18.3%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
専門的・技術的職業従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 専門的・技術的職業80%
- サービス職業6%
- 管理的職業3.2%
- 事務3.2%
- 販売3%
- 生産工程2.4%
- その他2.1%
この分類に入った人のうち、20%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
植物工場は、異業種の大企業が子会社の新規事業として運営したり、農業分野のベンチャー企業、大学の研究室と地域の企業が立ち上げた共同事業体、地元農家が運営する等、様々な形態がある。 勤務先は植物工場の設計・施工部門のほか、植物工場の設計・施工に参入している建設会社、設計会社等となる。 労働条件は、企業の中の職務(仕事)のため入職した企業の規定に準じる。給与についても、手当等を含め、各企業の規定に準じて支給されている。
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)